Jun 15, 2011

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 リビアのカダフィ政権が崩壊寸前にまで追い込まれたことで、民主化運動への弾圧が続くシリアやイエメンでも、デモ隊から国際社会の強力な関与を求める声が高まりそうだ。一方で政権側は、米欧などによる非難や圧力に態度を硬化させており、シリアではさらに弾圧が強まる恐れもある。

 「(米欧の退陣要求は)意味がない」

 21日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、シリアのアサド大統領は21日放映された国営テレビとのインタビューで、政権を退く意思がないことを表明した。

 アサド大統領は3月に本格化した反政府デモに対して徹底した弾圧を続け、2千人以上の死者が出ているとされ、欧米から退陣要求が出ていた。

 一方でアサド氏は今月、複数政党制を可能とする新政党法を承認。人民議会(国会)選が来年2月に行われるとの見通しも示し、あくまで政治改革によって混迷を切り抜ける腹づもりだ。ただし、「治安機関の介入を必要とする治安情勢も存在する」とも述べ、デモ隊への弾圧を今後も継続する構えを見せた。

 「アラブの春」と呼ばれる中東・北アフリカ地域の民主化運動は最近、ペルシャ湾岸諸国でデモ隊が政権側に押さえこまれ、勢いを失いつつあるかのように見えた。リビア情勢の急展開は、体制側を非難するうえで、「もっとも元気づけられるニュース」(19日付の英紙フィナンシャル・タイムズ社説)となった。

 とはいえ、シリアを取り巻く状況はリビアとは大きく異なる。国連安全保障理事会では、シリアと関係の深いロシアの反発で法的拘束力のない議長声明を採択するのがやっとだった。第1回債務整理との出会い軍事介入の選択肢も現実味が乏しい。シリアの背後にはイランの影がちらつき、情勢の混迷は、イスラエルやレバノンなど周辺国の懸念を増大させかねない。

 米欧の追加経済制裁も効果は限定的とみられる。ニューヨーク・タイムズ紙は、アサド政権の政治改革も「せいぜいムバラク政権下のエジプト程度の民主主義にしかならない」との専門家の冷めた見方を紹介した。(岩田智雄)

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 反体制派部隊がほぼ制圧したリビアの首都トリポリでは最高指導者、カダフィ大佐の独裁の終焉(しゅうえん)が間近に迫り、市民は歓喜に酔いしれた。だが、カダフィ氏の居住区バーブ・アジジヤ地区周辺でカダフィ派は激しく反撃。治安が確保されていない市内ではカダフィ派の残党による攻撃も懸念されており、首都攻防をめぐる緊迫が続いている。

 中心部の「緑の広場」は21日夜、反体制派の民兵や民衆が押し寄せ、反体制派が象徴とする赤、黒、緑の王政時代の旗を振り、祝砲を鳴らすなど歓声に包まれた。「われわれは独裁者の支配から解放されようとしている。神をたたえよう」。保育園勤務の女性(36)はロイター通信に語った。

 「緑の広場」は政権のシンボルカラーにちなみ名付けられ、カダフィ氏の演説や政権支持のデモが最近まで行われていた。だが、政権の象徴的な場所も反体制派は本来の名称の「殉教者広場」と呼び始めた。

 反体制派組織「国民評議会」が拠点を置く北東部ベンガジや北西部ミスラタでも、民衆が通りなどに集まり、トリポリ進撃を祝う光景が広がった。

 北大西洋条約機構(NATO)軍の空爆とともに20日に始まった反体制派の首都攻撃の展開は早かった。フランス通信(AFP)によると、「人魚の夜明け」と名付けられた作戦では21日早朝に一部部隊が海路でトリポリに入り、潜んでいた反体制派と合流した。トリポリ東部の海岸で数週間前から反体制派が武器を運び込んでいたとの情報もある。

 英BBC放送(電子版)は首都の東、西、南の3方面から部隊が進軍、大きな抵抗はなかったと報じた。国民評議会の報道官は「トリポリ内外の反体制派やNATO軍と連携した」とし、作戦が周到に計画されていたことを示した。

 トリポリでは制限されていたインターネットが使用可能となり、反体制派は検問所を設置。だが、中東の衛星テレビ局アルジャジーラなどによると、バーブ・アジジヤ地区と海外の報道陣が泊まるホテルがある地域は、まだ政権側の支配下にある。第1回過払い返還請求の12322日もカダフィ派の抵抗が続く中、同派の「狙撃者」が潜んでいるともされ、治安は不安定な状況だ。(カイロ支局)

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